白熱灯を当てることでカラーチェンジをする宝石はいくつかあります。
アレキサンドライトやカラーチェンジガーネットなどが代表的です。
他にはあまり知られていないもので、ジルコンでもカラーチェンジするものが存在しています。
とはいっても、ジルコンの場合はカラーチェンジではなく、「リバースカラーチェンジ」。
この聞きなれない「リバースカラーチェンジ」とはどういうものなのでしょうか?
まずは日本でのカラーチェンジの定義を振り返ってみます。
カラーチェンジとは、
①白熱灯(またはロウソクの光など)を当てたとき、色が変わって見える
②青~緑(寒色)から、赤~紫(暖色)に色が変わって見える
この2点を満たした状態のことをいいます。
水色から緑、紫から青、紫からピンクといった色変わりについては、鑑別では特に記載されませんが、「カラーシフト」と表現されることが多いです。
ジルコンのリバースカラーチェンジでは、紫~青からグリーンへと色変わりします。
この現象は寒色から暖色にチェンジするカラーチェンジの定義には当てはまらないので、リバースカラーチェンジと呼ばれています。
暖色から寒色とまではいきませんが、カラーチェンジとはほぼ逆の色に変化するイメージのようです。
カラーチェンジと同じでリバースカラーチェンジも、白熱灯を当てたときに予想外の色に変わる印象があります。
色変わりの違いはもちろんですが、そのほかには「カラーチェンジは鑑別で表記されるが、リバースカラーチェンジは表記されない」という点が異なります。
リバースカラーチェンジについては、現時点ではソーティングや鑑別書に記載されません。
ただし、希望すると鑑別書の写真を2色並べた形にしてもらうことが可能です。
画像が色違いで2枚になるのはカラーチェンジ系の宝石と同じなので、「色変わりが確認できます」という証明にはなると思います。
当然ですが、カラーチェンジする宝石の特徴は光源によって色が変わって見えることです。
白熱灯を当てて色変わりするというのが、一番わかりやすいカラーチェンジですが、それ以外にもびっくりするような色に見えることがあります。
洗面所、トイレ、玄関、寝室、ダイニング…ひとつの家のなかでも、様々な色に変わって見えるのがカラーチェンジする宝石の魅力。
同じ環境でもカラーチェンジとリバースカラーチェンジではまた違った色変わりを見せてくれそうです。
白熱灯を当てるだけでなく、どちらもいろいろな光源でお楽しみいただきたい宝石です。