スリランカ仕入れ旅レポート

2024年07月29日

2024年7月にスリランカへ仕入れ旅に行ってきました。

その際に宝石を採掘している場所やカッティング工場を見学させてもらったので、その様子やスリランカの食事事情についてもご報告します!

スリランカって?

スリランカはインドの近くにある北海道よりも2割ほど小さな島国です。
そこに約2,200万人が住んでいるので、滞在中も感じましたが人口密度が日本より高い感じです。

日本との時差は3時間半ほど。飛行機で9時間半くらいで着きます。

鉱山?の様子

鉱山というと山を想像すると思いますが、私たちが見学したところは山という雰囲気ではありません。スリランカでは地域によっては機械を使った採掘が禁じられているそうです。そのため、この採掘所では昔ながらのやり方で宝石の採掘がおこなわれていました。

現場の方が「いっぱい写真を撮って、日本のみんなに伝えてくれ!!」と熱く語っていたので、動画も写真もたくさん撮影。
全体の様子はこんな感じです。

穴を掘って、地中の土を取り出して洗って原石を取り出す昔ながらのやり方だそうです。
掘った穴にバケツを入れたり、人が実際に入ったりしていました。

これが掘り出した土の山。

この土を水で洗って、中の原石を取り出します。
中に宝石が入っていると思うとちょっとワクワクします。

採掘所で使う木材の加工

採掘所で使用される木材は現場でカットして作られています。

スリランカは地面がアスファルトでなく、土であることも多いためか、素足の人が多い印象がありました。作業されている方々もみんな素足です。
素足の方が足が滑りにくいので、安全という一面もあるのかもしれません。

見ているだけでもヒヤッとしたのがこちらの作業。

足を傷つける可能性があるから、とても危険な作業なんだと現場の人も言っていました。
道具類はマメにお手入れをされています。

しっかりと研がれた鎌は切れ味も良いですが、アクシデントが起きた時は怖いですね。

採掘所での食事

スリランカの食事は基本的に3食カレーです。採掘所でもカレーが用意されていました。
端の野菜の惣菜のようなものを味見させてもらいましたが、塩味が強めで辛いものが多い印象です。

パラパラとした細長い米に、野菜のお惣菜みたいなものや色々な種類のカレーを順番にかけるビュッフェ形式。

スリランカでは必ずお茶の時間があります。甘いミルクティーの場合もありますが、甘いお菓子とノンシュガーの紅茶というケースも。
採掘場でもお茶を準備していました。

現場では茶色い砂糖をジャリジャリと食べながら、熱々のお茶を飲んでいたのが印象的でした。
スリランカでは冷たい飲み物がほとんどありません。水も常温を好む人が多く、お茶は温かいものだけ。健康を気遣う昔からの知恵なのかもしれません。

食後には葉っぱやナッツのようなものを混ぜて口に含むそうです。

吐き出すのかな?とは思いますが、そこまでは確認できていません。口がスッキリすると言っていました。

採掘所で採れた原石

ここでは主に、スピネルやガーネット、シンハライト、ジルコンなどが採掘されるようでした。
混ぜ混ぜの原石を見せてもらいました。

ライトを当てているのはスピネルの原石です。
現地での仕入れはいろいろな原石が混ざっているので、原石の状態での見極めが必要。カットすることも想定して形や色、内部の傷やインクルージョンもチェックした上で選ばなければいけません。

スリランカでは原石やラフの持ち出しが禁止されています。
この状態では日本にもって帰れないので、選んだラフのカットをお願いしてきました。

カッティング工場見学

カットを依頼するためにカッティング工場へ。
こちらでも快く写真や動画を撮らせていただきました。

今回は2つの工場にお邪魔して、どちらの工場でもカットをお願いしてきました。
こちらは比較的小さめの工場。熟練の勘だけを頼りにカットするタイプのマシーンです。

もうひとつは、比較的多くの人がカット作業を行っている工場。
全員が集中してカット作業を行っているなか、静かに見学させていただきました。

一人、別の場所に座っている女性はナンバーワンカッターだそうです。
ひとつひとつ真剣に確認しながら、丁寧にカットしていました。

スリランカ唯一の石の博物館

また、スリランカに一つしかないという博物館に行ってきました。

ここには、たくさんの標本やルース、スリランカの古銭などが展示されています。

ガラスが曇っていて、ほこりをかぶっているところが、何となく古い資料館や博物館といった雰囲気を醸し出しています。

新聞にも掲載されたという巨大なサファイアの原石も。
全体のサイズはしゃがんだ大人より大きな原石で、大きなサファイアの形の結晶が埋まっています。

とても珍しいスリランカ産のカイヤナイトなどもありました。

なかでも目を引いたのは、真ん中に配置されている蛇のような石。
裏側からもこのニョロニョロとした結晶は観察することができます。

ここでは、スリランカの宝石商のお店のあちこちで飾っていた大きなポスターをいただいたので、事務所に飾ろうと思って額に入れました。

これが飾ってあるだけで、一気に宝石屋さんっぽさが増す気がします。

【番外編】スリランカの食べ物

スリランカでは基本的には一日3食カレーを食べます。米にいくつかのカレーやサラダのようなものをかけて、右手で全部混ぜて食べるのが基本スタイル。
カレーは日本で提供されるものと比較するとかなり辛いです。塩辛いケースも多く、とにかく味が濃いという印象。

朝食などでは米の代わりに、ココナッツで作った炭水化物的なものや、パンなども出されることも。
それにもカレーをつけて食べます。とにかくカレーです。

外食ではタイ料理やKFCなどもありましたが、どこか日本のお店のメニューとは様子が違います。
どこでも米のメニューが用意されていて、同行したスリランカ人の方々は常に米を好んで食べていました。

また、スリランカはお茶も有名なだけあって、必ずお茶の時間があって、いろいろなお菓子も出てきます。歓迎のお茶はお菓子も豪華でしたが、常にお腹いっぱいであまり食べられなかったのが残念。

アイスクリームは時々出てきましたが、一度溶けて固まった感じの少し懐かしい味がします。ご飯が終わっていなくてもファミリーパックのようなケースで出てきて、そのまま外に出されていたので、溶けているのが普通なのかもしれません。
スイーツ類も米などで作られたものが多く、非常に甘いです。

食事で一番うれしかったのはフルーツが豊富なこと。
バナナは至るところにありますし、パパイヤやココナッツ、ランブータン、マンゴスチン、ドリアン、グァバ、ウグラッサなど、普段見かけないようなフルーツも道端で売っていて、庭でも採れるようです。

マンゴスチンは皮を剥くと、かならずといっていいほどに蟻が出てきます。
可食部の白い実のところにはいないのですが、皮の部分に住んでいるのかもしれません。

コーンはおそらく加工用のものを茹でたものですが、甘みがほとんどなくモソモソとしていて日本のトウモロコシを想像して食べると違和感の強すぎる食べ物でした。

フルーツはジュースにして提供されるケースもありましたが、マンゴーやスイカなど、どのジュースにも味が分かるほどの塩が入っていました。
香辛料や塩で衛生面を保っているのかもしれません。旅行中に特にお腹を壊したりなどはしませんでした。

スリランカ仕入れ旅を終えて

スリランカは親日国とは聞いていましたが、その通りでみなさんとても親切で色々なものを見せてくれたり、教えてくれたりしました。

ただし、なかにはアメシストのカボションをスターサファイアと言ったり、安い宝石を非常に高い値段で売りつけようとしてきたりする人もいます。

品質をチェックするだけでなく、簡易鑑別の能力も試されますし、金額が合わないものをハッキリ断る意思の強さも必要だと思います。

今回の旅では仕入れだけでなく、宝石に関する施設の見学や文化の違いの体験など、たくさんの経験をすることができました。出発前と比べるとはるかにスリランカ自体やスリランカ産の宝石についての理解が深まったと感じました。

今後もこういった記事やインスタライブ、ミネラルショーなどを通じて、現地の情報を少しでもお伝えしていきたいと考えています。

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