ガーネットにはいろいろな種類があります。
一番メジャーなアルマンディンガーネット、ガーネットの王様と呼ばれるデマントイドガーネット、ビタミンカラーのスぺサルティンガーネット、シックなピンクのロードライトガーネット…。
そんななかでも、ちょっと複雑なのがマラヤガーネット。
まず、鑑別に出したときに”マラヤガーネット”とは記載されません。
それではどういったものをマラヤガーネットと呼ぶのでしょうか。
見た目にはシックなパープリッシュピンクといった印象のマラヤガーネット。
この複雑な色は、
が混ざり合って作られています。
確実にマラヤガーネットであることを確認するためには、鑑別機関でこの2種類の成分が含まれていることを分析する必要があります。
また、マラヤガーネットにはこの2種混合タイプのほかに3種混合タイプも存在します。
上記の2石はどちらもマラヤガーネットとなります。
左のようにアルマンディンガーネットが混合するケースもあるので、2種類または3種類の成分で構成されたものを指します。
ちなみに、パイロープガーネット(紫~赤)とアルマンディンガーネット(紫~赤~オレンジ)が混合したものは、ロードライトガーネット(赤~ピンク)となります。
そこに、スぺサルティンガーネット(赤~オレンジ)が混ざるので、3種混合タイプはどこか複雑な色に。
サンプルのマラヤガーネットでは3種混合タイプの方が、やや赤みが強いように感じられます。
こういう3種混合タイプのような色のガーネットでは、成分分析の結果、スぺサルティンが含まれずに「ロードライトガーネット」となることもあるので、マラヤガーネットであることにこだわりがある場合には注意が必要です。
その複雑なニュアンスカラーも魅力ですが、白熱灯ペンライトを当てたときのカラーシフトの美しさも魅力のひとつ。
カラーシフトやカラーチェンジの楽しめる宝石は、光源によって印象が変わるので、見るたびに雰囲気が変わります。
また輝きも強いので、キラキラと良く輝きます。
色や成分によって種類が変わる、複雑なガーネットの世界に魅了される人は少なくありません。
たくさんの色があるので、色相環を目指してみるのも楽しいかもしれません。
結晶の形も可愛らしいので、原石で集めるのもおすすめです。
ちなみにこの原石は「デマントイドガーネット」としてやってきましたが、鑑別の結果は「アンドラダイトガーネット」だったもの。
この鑑別は色による判断と聞いています。
ガーネットは見た目だけでは種類が分かりにくい場合もありますので、高額のルースなどの購入の際には、鑑別に出すことをおすすめします。